そして終わり、また始める
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"そして終わり、また始める"は山尾三省の「石の詩」にインスパイアされて創ったサイトスペシフィックソロパフォーマンス作品です。 石は 終わりのものである だから人は 終わりになると 石のように黙りこむ 石のように孤独になり 石のように閉じる けれども ぼくが石になったときは 石はむしろ暖かいいのちであった 石ほどあたたかいものはなかった あまり暖かいので そのままいつまでも 石でありつづけたいほどであった 事実ぼくは一週間ほど石であった 石は終わりのものではない 石ははじまりのものである 石からはじまると 世界はもう崩れることがない 私たちは社会に流されて生きています。時には自発的に、時には無意識に。それは波のようなもので、何度も何度も押し寄せてきます。何度も波に打たれているうちに、自分を見失ってしまう。しかし実は自分を見失ったように見えても、ずっとそこに自分は存在していた。形は変わっても、自分の芯は残っている。 波に逆らうのか?それとも、波に委ねるのか?それとも、石のように自分をそこに置くのか?この作品は「人生」についての作品です。私たちの歴史の中に石は常にあり、何年もの時を経てここに存在しています。彼らは何度も何度も時代を巡り、そして最初に戻ってそこから始める。終わりは新しい始まりです。それに気づいたとき、私たちは自分を見失わない。たとえ遠くに流されても、石のようにいつもそこにいる。不安定なこの社会でどのようにバランスを取り積み上げていくのか。それぞれの芯を見つけたときそれはもう崩れないものとなるでしょう。 C R E D I T S : Creation and concept: Kaori Ishiguro Photo: Fred Mc,Tsumugi Komiyama Created at deSingel International ArtsCampus Performance Site Specific Performance "Place in Space : Space of the Place: No Place/ No Space" 22,23 Mar 2018 - de singel kunsten campus |